2019年1月2日水曜日

元日や今年もあるぞ大晦日

 あけましておめでとうございます。おはようございます。皆様におかれましては平穏無事なる新年を迎えられたのではないかと想像しては、へっ。つまんねーの。とか思っているというのは全くの嘘でして、私はいつだって皆様の平穏無事と幸福を願っております。もちろん嘘ですけど。
 さて私めの正月はと申しますれば、数年前より正月らしいことを一切しないと決め(というほど決然としたものではなくて自然にそれをしたいという欲求がなくなった)ました故、大晦日に天ぷらそばを手繰ったのを最後に紅白歌合戦も初詣爆笑ヒットパレードも見ずに、普段と変わらぬ暮らしを続けております。ですから朝にはトーストを食し、昼には日清食品の冷凍汁なし担々麺を食し、近所の百均に行ってノートを買い、道で出会った野良猫とだるまさん転んだをやってあすび、夜には藁人形に五寸釘を打ち込むなどしています。
 正月らしいことはほんとしにしていません。御節も雑煮も元より嫌いですし、餅を食うと奥歯の被せ物が取れますし、正月のテレビは『モヤさま』以外に見たいと思うものも特にありませんし、年賀状を書くのもやめてしまいましたし、もうなんにもいたしません。ただただ日常を日常として過ごしています。
 そうはいっても正月というのはやはり偉大なもので、そうして正月らしい行為を一切しなくとも、正月らしい気分というのは心に芽生えてくるもので、たといこんな私であっても、元日の晴れ渡った青空を眺めながら、関東の乾いた冬の空気を胸に吸い込みながら、今年も平穏無事に過ごせたらいいな。今年一年、死なずに生きていられたらいいな。なんて思ったりなんかしちゃったりしてこのぉ。と、文章の始末に困ると決まって用いる広川太一郎節を持ちまして年頭のご挨拶とさせていただきます。本日はおめでとうございました。お二人の未来に幸あれ。

 閑話休題

 正月の意気もなるほど良いものですが、年末のあの忙しない空気、日常がどんどん消失していくあの感じというのも僕は大好きで、だから僕は年末掉尾、官公庁の仕事納めが終わるときまって霞が関から虎ノ門や溜池山王、神谷町や議事堂周辺、さらには赤坂のあたりまでをひとり歩くのです。
 普段、勤め人や役人でごった返しているこれら日本の中心部も、この年末掉尾を迎え仕事納めが済むと、往来を行き交う人々や車の列がぱたりとなくなり、そこにいるのは議事堂や官邸を警備するお巡りさんばかりとなるんであります。あの感じ、まるで日本の中心部がゴーストタウンになってしまったかのような状況・空間がとても好きなんであります。
 昨年末も霞が関を出発して赤坂方面へ向かい、途中、勝海舟邸跡地を通り氷川神社で手を合わせ、官邸の脇を警備のお巡りさんから不審者と目をつけられぬよう「僕は安全な人間です」という空気を醸しつつ歩き、ふうふう云いながら山王坂を上り議事堂をぐるりと半周、正面前で記念撮影をするいやに元気な中国からの観光客の皆さんを眺め、年末で閉門されている国会前庭の前を通り江戸城の方に向かってターン、お堀に向かって坂を降りつつ井伊直弼のことを思い、やがて桜田門から江戸城に入り、やはりこれもいやに元気な中国からいらした皆さんが二重橋前で記念撮影をするのを眺め、このあたりでもう足腰が辛くなってきたからと日比谷の駅から地下鉄に乗ったときには随分みんなくたびれた。あたしもくたびれたよ。なんて、古今亭志ん生の口調で思ったりしながら、極私的年末恒例行事を滞りなく済ませたのでありました。

 閑話休題

 あとあれですよ、冬場の野球場ってのもいいよね。存在がすごく無駄じゃん。だから横浜スタジアムとか神宮球場とか冬になると意味なく見にいったりする。あんなにでかい建物がなんの役にも立たぬまま、ただただそこにある……このことがすごく僕の心を慰撫するン。こんな僕でも生きていていいんだ。という気分になる。

 閑話休題

 話はまじで変わりますが、いまから数年前、SNSが世の中に定着し始め芸能人がそれをすることが当たり前となった頃、それまで芸能マスコミによる虚偽の報道に悩まされてきた芸能人たちが、SNSを使って自ら発言・発信をすることで虚偽のマスコミ報道に苛まれずに済むようになるからSNSは芸能人にとって有用。みたいな意見をよく目にしたものだけれど、あれから数年が経ってみると、その間にネットニュースなる報道スタイル・メディアが台頭したために、芸能人自ら発信したSNSでの発言が、どこかスキャンダラスな雰囲気を纏う「ネットニュース」として逐一取り上げられることとなり、なんつーか、こりゃあ無間地獄。

 閑話休題

 ではそんなことでお後がよろしいようで。講談には詳しくないけれども真打昇進が決まった神田松之丞氏がすごく面白いことはよくわかる。こういう飛び抜けて面白い人が出てくることでそのジャンルが活性化されるのはとてもいいことと思う。惜しくも早逝されたけれども浪曲界に国本武春先生が出てきたときも若い観客が詰めかけた。ちなみに講談師や浪曲師の敬称は先生。と、こういう細かいことを他人に強要したり説教したりするのは野暮のすることだけれど、こういう部分を大切にしない奴・理解しない奴はすごく嫌だネ。
 






ありがとうございました。これからもよろしく。

 とりあえずこのWeb日記と云い張っていたブログは今日でおしまいにします。  閑話休題  昨年の五月、置かれた状況・環境に翻弄されてすっかり減退してしまった創作意欲に再び火をつけて、みやかけおを再起動するのを目的に、ブレインストーム的にブログを始めたのですが、あれから一年...