2018年5月27日日曜日

有為転変でゴー

 しかしみんなすごいなあ、と改めて思うのは、SNSなんかを閲していると、自分の考えや主張についてこれは正しいものだ! と、一点の曇りもなく信じ切り云い切る人が沢山、それこそ山のようにいることで、自分なぞは、常に自分の考えが間違っているのではないか、と思いながらものを考えたり云ったりしているから、いやほんと、みなさんすごいなあ、と皮肉でもなんでもなく思います。

 閑話休題

 そうして僕はいま、久しぶりに筒井康隆大人が五十年くらい前に著した『脱走と追跡のサンバ』を再読している最中なのだが、ああ驚いた、ここで書かれている、情報に取り巻かれて自分がどこにいるのかわからない、みたいな内容が全く現代の状況と同じじゃん、と僕には思えて、やっぱりすごい人の考えることは凄いものだ、と、全然すごくない感想を抱きつつ読んでいるところ。昔はこんなこと全然思わずに読んでいたそんな二十歳の頃の僕。まあ初読したのは今から二十五年以上前の話だから、世の中がこの作品世界のところまで到達していなかった、というのもあるけど。しかし僕は読書家ではないから読むのが遅くて全然進まないや。

 閑話休題

 若い女性ばかりを選んで体当たりをしてゆく新宿駅の若い男児の動画、などを閲するにつけ、遊郭・公娼の必要性を僕は考えるのですが、罷り間違ってそんな言葉を口にしたが最後、はあちゅう氏とそのフォロワーみたいな皆さまに言葉でどつきまわされてひどい目にあうんだろうと思って恐怖します。嗚呼、早くAIとロボットの技術が人間そっくり、にまでに進化して『ブレードランナー』ンときのダリル・ハンナ的な、セクサロイドが世の中にあらわれないかしらん、と、僕は願ってやみません。二つで充分ですよ。

 閑話休題

 もしもセクサロイド、みたいなモノが本当に世の中に現れたとしても、やっぱ批判を浴びるのだろうねぇ。性的なアニメを観るから性犯罪に走るのだ!  的な感じで、セクサロイドにすることを人間の女性にしてみたくなるはずだ! みたいな。あるいは、セクサロイドを開発するなんて女性を性の対象としか見ていない証拠だ! 的な感じで。

 閑話休題

 話は変わるが自分はサッカーには全く興味がないのですが、そんな自分からしても、W杯サッカーの話題がてんで聞こえてこないような気がするんですが気のせいですかね。ひょっとしたら、もうサッカーファン以外の日本人の大半は、W杯慣れしちゃったのかもしれませんなあ。我が国の人々は全てを一過性のイヴェント・祭りにしてしまいますからなあ。まあ、それでも始まればそれなりに盛り上がってそれが終わる頃には、渋谷の交差点に、頭の中がこんがらがったような人々が集うんでしょうけどね。

 閑話休題

 そうしてまた話は変わるのだが、僕は過日、池袋の東京芸術劇場で『酒と涙とジキルとハイド』という三谷幸喜氏が脚本と演出をした芝居公演を観てきたのであった。今回は再演だったのだが、初演を見逃していた僕はようやく、という感じでこの公演に足を運んだ。なるほど、評判の通り笑いの絶えない内容で出演する役者も皆大変に達者、大に満足して帰宅の途についたのだった。
 二〇〇二年あたりから三谷幸喜氏は、舞台では笑いの少ないものを志向していたように思えた(氏本人もそのように発言している)のだが、この作品の初演(二〇一四年)あたりから笑いに回帰したようだ(って、公演パンフレットにも書いてあったしネ)。
 しかし僕の拙い鑑賞眼には、確かに笑いには回帰しているが、以前とはその質が変わっているように見える。九〇年代の氏の作品は、脚本の力が大変に強かったように思う。隙のない、綿密に過ぎるくらいの脚本だったように思う。しかし今回の作品、それから今年の春先に観た『江戸は燃えているか』にしても、そこまでの綿密な印象は受けなかった。脚本の力で笑わせる場面よりも、くだらなさ・馬鹿馬鹿しさで笑わせる場面が増えたように感じた。また、以前の作品であればきまって、泣かせの場面というかキャラクターが真面目に心情を吐露する静かな場面が終盤にあったのだが、そうしたものが無くなり、笑いのみで完走するようになった。不図、この変化は三谷氏の中で、脚本家としての要素よりも、演出家としての要素の方が強くなったことで起こったのかもしれない、と思った。
 まあ小賢しい考えは兎も角、とにかく、三谷氏が笑いに帰ってきたというのは、笑いが好きな僕にとっては諸手を挙げて歓迎することであり、また、一人の作家の変貌変遷をこうして追えるというのは全く楽しいことだ、と思った一夜でござんした。

 閑話休題

 あのー、ほら、よく「〇〇も変わった。昔の方がずっと面白かった」みたいなことを簡単に云う人ってあるけれども、ああいう人たちってのは、単純に作家の方だけが変わったと思ってるのかしらん。鑑賞者たる自分の感覚が変わったのかも、っていう疑問は抱かないのかしらん。だいたい、物の見方が変わらない奴なんて、基本的に面白くない奴だと思うんだがなあ。だってそれは感性が動かないってことだから。

 閑話休題

 ではそんなことでお後がよろしいようで。こうやって他の五球団が連勝連敗を繰り返しているうちにそれをしないカープがいつの間にかぶっちぎっているという去年一昨年と変わらぬセリーグの展開。





ありがとうございました。これからもよろしく。

 とりあえずこのWeb日記と云い張っていたブログは今日でおしまいにします。  閑話休題  昨年の五月、置かれた状況・環境に翻弄されてすっかり減退してしまった創作意欲に再び火をつけて、みやかけおを再起動するのを目的に、ブレインストーム的にブログを始めたのですが、あれから一年...