2019年4月28日日曜日

人間はカンガルーの足である

 平成が令和に変わるからといって別段自分の生活には変わるところはないよねー。なんて恬然と構えていたのだが、やはり元号が変わるというのはどこか、無意識のレヴェルで人々の生活に影響を及ぼすようで、自分の身の回りにおいても、これはもうずっと変わらぬのだろうなあと諦めていたことに変化の兆しが現れてきたり、将又、これは変わって欲しくないなあと思っていたことがパッと変わってしまって大いに狼狽する、なんてことが其処彼処で起こっていて、本当に不思議な気分になります。
 そこまで考えて、はて、昭和が平成になった時には身の回りにどんな変化があったかしらん。と、思い出そうとしたのですが如何せんもう三十年も昔の話ですからとんと思い出せません。あれは平成初期の話と思っていたことが、よくよく調べてみたら昭和五十四年くらいのことだったりして、もうめちゃくちゃです。
 ならば、ミレニアムと騒いだ、世紀が一つ繰り上がる時にはどうだったかと思い出してみますが、やはりこれももう十九年も前の話なのでとんと思い出せません。うんうん記憶を振り絞っても、当時加入していた小田急ケーブルテレビがいわゆるY2K問題に引っかかって元日早々映らなくなったことぐらいしか記憶にありません。今はシネスイッチ銀座の1だか2だかになってる銀座文化劇場で『2001年宇宙の旅』を観たのは九〇年代の後半だったはずでミレニアムと関係なかったしなあ。

 閑話休題

 と、そんな塩梅で、あと五年もしたらいま感じている、元号が変わるのに合わせていろんな身の回りの状況が動いている気がするなんてことも、すっかり忘れてしまうのだろうなあ。もちろん、個々の出来事は忘れないんだろうけど、それが改元とセットで記憶されることはないんだろうなあ。人間は忘れてしまう生き物なのですなあ。

 閑話休題

 そういえば井上ひさし氏の長編小説『吉里吉里人』の中に、見たもの聞いたものを全て忘れることができない人が出てきて、面白かったなああれ。忘れられないってのも辛いもんだと読んでて思ったっけ。あれ、あの人が出てきたのは『吉里吉里人』じゃなかったっけ。って、もう忘れちゃったよ。人間は忘れしまう生き物なのですなあ。

 閑話休題

 自分にとっての平成は、その始まりがちょうど社会に出る年齢とほぼ合致しているからまあいろんなことがあった。右も左もわからぬままに右往左往していた時期があり、なんだか全てが嫌になって社会的には引きこもりみたいなことになってみたり、そうかと思ったらあれ俺もしかして行けんじゃね? みたいな、浮かれた時期があり、そうして浮かれていたらどすんと落とされるようなこともあり、そうかと思えばもう俺の人生はほとんど終わったようなもんだなあと思うようなこともあって。それでもまだ結構楽しく生きてるんだから大したもの……って、まあこんなことは平成と区切らなくっても、人間の一生の中で普通に起こることで(なにしろ十七歳から四十八歳までの期間のことなのだから!)、それをば、改元されるという世の中のムード、空気に飲み込まれるようにして、恰も、自らの人生を平成という時代に投影しようとついしてしまうものだが、人生と元号なんて基本的には関係ないのであって、ならば何故、人はそんなことをしてしまうのかというと、やはり自分の人生を少しでもドラマチックに思いたいがためなんだろうなあと思った。

 閑話休題

 平成生まれの人には多分、元号と自分の人生を重ね合わせて考えるような感慨は今の所はないんだろうと思う。平成生まれの皆さんの人生はまだまだ午前中だものね。けれども、そんな平成生まれの皆さんとて、令和が終わる頃にはそんな気分になってると思うよきっと。

 閑話休題

 まあ人生の収支決算をすれば、やっぱりマイナスになるんだろうなあ僕の平成は。

 閑話休題

 でもほんと、なんで改元をゴールデンウィークに合わせたんでしょうね。発表を正月にして新年度から令和にすればうんとわかりやすかったのにねぇ。三ヶ月あれば随分準備にも余裕ができただろうにねぇ。10連休に対して諸手を挙げて賛同している大人を政治家以外に見た試しがないよ。

 閑話休題

 ああそうそう。近頃はとんと映画館に足を運ばなくなっているから今頃になって『ボヘミアン・ラプソディ』を観たのだけれど、いやあ、面白かったなあ。クイーンについては直撃世代じゃないし、個人的にも洋楽にほとんど興味がなかったから詳しくは知らなかったんだけど、そんな私みたいなライト層が観るのに最適な、オーソドックスな伝記映画の作りになっていて、ラストのライブエイドの場面など、もう、うわあ! と、言葉にならない感激に襲われるように、全く見事に作ってあって大に感心した。爾来、クイーンの曲ばかり聴いているという全くもってミーちゃんハーちゃんな感じで日々を過ごしております。加えて、クイーン直撃世代ではなくとも、フレディ・マーキュリーが死んだ後、日本のテレビコマーシャルその他で盛んにクイーンの曲が使われたのを体験した世代ではあるから、クイーンの曲そのものには耳馴染みがあったし。

 閑話休題

 しかしあれだなあ、たとい洋楽に疎かった私でも、ライブエイドのことはよーく記憶しているから、どこか、あの頃の時代を追体験するような気持ちで画面を観ていたのだけれど、考えてみたらライブエイドが開催されたのは今から三十四年も前の話で、してみると、いまの三十代の皆さんの目には、歴史上の出来事として映っているんだろうなあと思ったりなんかした。

 閑話休題

 平成が終わるいま観る『おしん』の物凄さ。でも今の時代にあのテイストを取り入れた新作を作ったらすごい駄作になるんだろうな。

 閑話休題

 『なつぞら』の方が『いだてん』より視聴率がいいという時点で視聴率なんて信用しちゃダメだってわかりそうなもんだろうに。

 閑話休題

 ではそんなことでお後がよろしいようで。相変わらず我がベイスターズは負け続けているわけですが、いやそれにしてもすごいなあ、ここまでホームランでしか点を取れないチームというのはかつて見たことがないよ。それでも今日も明日もホームランを期待する野球を目指すんだろうなあ。そら宮崎が額面通りに打ってればまた違ったんだろうけど、とはいえ、幾ら何でもなあ。ラミレス意固地になるからなあ。あれだけやりたがってた守備の大胆なシフトもやらなくなっちゃったし。ラミちゃんもう気持ち切れちゃったかなあ。でもここから優勝したらすごいけど、まあ無理だろうなあ。今年は今永が球界を代表する投手になることと、神里が一番打者に定着するのを楽しみにしてるけどね。この二つが真に達成されたらチームの形がはっきりしてくるよきっと。あと、大和と柴田で二遊間を固定すると野球がすごく落ち着いてくると思うけどね。セカンドが下手だとショートも割りを食うよ。二遊間が低レベルだと守備全体が割りを食うよ。





ありがとうございました。これからもよろしく。

 とりあえずこのWeb日記と云い張っていたブログは今日でおしまいにします。  閑話休題  昨年の五月、置かれた状況・環境に翻弄されてすっかり減退してしまった創作意欲に再び火をつけて、みやかけおを再起動するのを目的に、ブレインストーム的にブログを始めたのですが、あれから一年...