2019年4月19日金曜日

秘せずは花なるべからず

 あれ。また『十億アクセスの彼方に』がまとめサイトやツイッターでちょっと触れられてるや。もう終わった作品だと思ってたらそうでもなかったのかな。まあなんにせよありがたいありがたい。あれ作ったの2004年の秋だもんなあ。まだインターネットの情報誌が本屋で売ってた頃だよ。ヤフーBBマガジンとか。まだ街中でADSLのモデム配ってた頃かなあ。2004年だともう配ってなかったかな。いずれにせよ、いまのネットを近世としたら当時のネットは中世の時代というくらいに違っちゃってるね。

 閑話休題

 たといば僕は、朝はんや小腹が空いた時などにフジパンのスナックサンドを購入し、うまうまと食することがある。その度に、僕は、ここに、世の中に対する密やかな怒りが込められていると感じる。
 フジパンのスナックサンドの封入袋、そのおもて面には『元祖 Since1975』とロゴがあしらわれ、その裏面には、このタイプの惣菜パンはスナックサンドが元祖である、といった文言が記載されている。これはやはり世の中に対する密やかな怒りの表明なのだと僕は思う。
 当節、ああした、おにぎり的なサンドウィッチといえば? と問われたときに、世の中の大半の人々は「そりゃあんた山崎のランチパックに決まってるでしょうが」と云うだろう。
 フジパンの立場に立ってみればこれは悔しかろう思う。まじむかつくと思う。超MMと思う。そもそもランチパックなんか自分らのをパクっただけじゃないか。それをなんだ世の中の連中ときたら。大量のテレビCMに簡単に扇動されて、ランチパックの方が本物でスナックサンドの方をパチモンみたいに云いやがって。元祖はこっちだぞ。ざけんな。といった世の中に対する怒りわーと叫んでアピールしたいだろうと思う。
 しかしフジパンはそれをしない。外袋に、わかる人だけがわかればいいみたいな感じで密やかに、品良く、自分の主張を表明するのみで済ませる。そんなフジパンの行動とその奥にある心根の程を思うたびに僕は覚えず涙を落とす。
 もちろん涙を落とすと云うのは全くの嘘なのだが、それでも僕は、スーパーやコンビニでスナックサンドとランチパックが併売されていたら迷わずスナックサンドを手に取り、元祖であることを表明している外袋のロゴと文言に目を通し、わかるわかるわかるよ。フジパン君の気持ち、よぉくわかっとる。わかっとるよぉ、と植木等の声音で思ってからレジに持って行き購入する。そうしてフジパンに共感・共鳴しつつ、うまうまとスナックサンドを食する。これこそが元祖なのだというフジパンの思いを胸に抱いて。

 閑話休題

 ただ、ランチパックの方がいろんなコラボとかしてて展開が派手だからつい買っちゃう時があってその時はごめんフジパン、と心の中な謝りながらランチバックを買って食べる。あとデイリーヤマザキが割りと好きなのでそこに行った時とか。

 閑話休題

 うわなんだよ、ダ・ゾーンはカープの主催ゲームも配信しないんだ。スワローズといい、ほんとセリーグってダメだよなあ。セリーグがダメなのか、それともフジテレビや広島のテレビ局がダメなのか知らないけど、なにやってんだかなあ。二十一世紀が始まってからもうじき二十年になるし、平成だってもう終わっちゃうのになあ。

 閑話休題

 四月というのはその時期にしか見られない風景が見られるから面白い。
 たといばこの時期、規模が大きめの郵便局に行くと、窓口カウンターの奥に「研修中」と書かれた名札を胸に下げた新人ちゃんが真剣な表情で先輩局員の仕事ぶりを、メモを取りつつ観察していたりして、見ていてなんとも微笑ましいような気持ちになる。
 この時期にしか見られない風物詩として僕はこれを桜の花と同じように捉えていて、だからできたら花見ならぬ新人局員見を開催、郵便局の待合に毛氈という名の茣蓙を敷いてそこに車座になって座り、新人局員が明らかに場慣れしていないとわかるウブな行動をするたびに春ですなあ、なんて楽しげに喜び、お茶けを飲んでお茶か盛り、卵焼きの尻尾ンところをポリポリかじったりとかしたいと痛切に思っている。
 なんて人に話したりしたら基地外と思われるのが関の山なのでなるべく人に話したりしないようにして、通常の人みたくして郵便局の待合で順番を待っている。

 閑話休題

 もちろんそうして大人しく待合にいても頭ン中では新人局員見をやってるわけだけれど、そんなもん頭ン中でやるだけなら誰にも怒られないし警察にも逮捕されないしネ。

 閑話休題

 ではそんなことでお後がよろしいようで。ああそういえば談志家元の最後の高座、新百合ヶ丘での落語会、トリで『長屋の花見』をやったんだよなあ。一席演ってこれで今日は終わり……と思ったらそのまま『蜘蛛駕籠』を続けて演ったんだ。胸にピンマイクがついた状態で咳き込みながら、云えば息も絶え絶えの高座だったけど、やっぱり面白くって、こうして続けて二席も演るんだからまだまだ家元の落語を聴く機会はあるはずだよなあ、と思いながら帰ったのを憶えてる。あれが最後になるとは夢にも思わなかった。あれからもう八年が経っちゃったよ。


ありがとうございました。これからもよろしく。

 とりあえずこのWeb日記と云い張っていたブログは今日でおしまいにします。  閑話休題  昨年の五月、置かれた状況・環境に翻弄されてすっかり減退してしまった創作意欲に再び火をつけて、みやかけおを再起動するのを目的に、ブレインストーム的にブログを始めたのですが、あれから一年...