2018年6月3日日曜日

貴方は私の一生もの

 そうして私は、生まれてこの方はじめて中野ブロードウェイへ足を踏み入れ『マカロニほうれん荘展』を観てきたのだった。

<a href="http://garbage-coll2.sakura.ne.jp/sblo_files/garbage-coll3/image/macaroni.png" target="_blank"><img border="0" alt="macaroni.png" src="http://garbage-coll2.sakura.ne.jp/sblo_files/garbage-coll3/image/macaroni-thumbnail2.png" width="320" height="240"></a>

 さして広くはない展示スペースの壁面その全てに『マカロニほうれん荘』の原画やイラスト、当時のチャンピオンの切り抜きや双六みたいなゲーム、更には今回の展示に寄せた鴨川つばめ大人のメッセージ色紙などが展示され、それだけでも懐かしさで泣き崩れそうになるというのに、さして広くはないスペースに年齢層高めな善男善女、つまりは私のような大人になりきれない部分を大いに抱えたような人々が大挙参集していたものだから堪らない。身動きを一つ取るにも往生するような有様で、それでもなんとか写真を撮り(スペース内は撮影自由)、九十九折になったグッズ売り場の行列に並び缶バッジなどを買って展示会場を後にした。
 それはまあゆっくり鑑賞したかったというのが本音だが、それよりなにより、今の私を作り上げるのに欠かせない要素であった(というかいまでも外せない要素だネ)『マカロニほうれん荘』の世界に、単なるノスタルジーではない形で浸ることができたというのは全く素晴らしい体験であった。
 そうしてまた、連載が終わってからすでに四十年近くが過ぎているのだが、これだけの人々の中で、きんどーさんやトシちゃん25歳、そうじやルミたんやクマ先生が未だに生き続けていることを目の当たりに出来たのは、まったく素晴らしい体験であった、ってほら、嬉しくって頭がおかしくなっているから立て続けに同じ文言で段落を締めくくってしまったよ。

 閑話休題

 しかしあれかしらねぇ、これだけ面白い『マカロニほうれん荘』にしても、当節のコンプライアンスに照らし合わせるとアウト、の判定がなされてしまうのかなあ。エロ禁止の方面だったりLGBT方面だったり、そういうところから鋒鋩打たれるのかしらん。やあねぇやあねぇあらあらやあねぇあらあら違うのよ。おーっほおっほ。

 閑話休題

 話は変わるがなんで今更『50回目のファーストキス』のリメイクなんだよ馬鹿じゃねぇのかこれだから最近の邦画は。と思って鼻で笑おうと思ったら福田雄一氏と山田孝之氏のコンビに長澤まさみ嬢が加わるギャグだくさんの映画だと聞いてすぐに心の中で、即断して鼻で笑おうとしてどうもすみませんでしたと心の中ですぐに謝まり自分で自分のお尻をぺんぺんしたもちろん心の中で。

 閑話休題

 あーでもあれなのか、ドリュー・バリモアの方は『50回目のファースト・キス』だから違う、ってことなのかしらん。『人間・失格』みたいな、野島伸司的なことなのかな。まあどっちでもいいか。しかしあの頃のドリュー・バリモアは可愛かったよなあ。

 閑話休題

 近頃僕は故あってご老人の皆さんを間近で観察する機会が多くなっているのだけれど、総体的において、好奇心を失っていない方というのは老け込まないものだなあ、という印象を得ております。
 世間で話題になっていること、またはなっていないこと、とにかく自分のアンテナを大いに広げ、そこに引っかかった話題・事象についてフラットな心で目を向け足を運ぶ、みたいなことをしている人は、やはり老け込まず、孫世代のような若者とも、媚びることも高圧的になることもなくフラットに話をしているように見受けられます。
 然し乍ら、それが出来るご老人はやはりほんの一握りで、多くの方々は世間に興味を失い目の前の些事に拘泥し、テレビのワイドショウで見聞きしたことをそのまま話して今の世の中は……と嘆くばかり。若者と話をする様子もやはりどこか高圧的に接しているように見受けられます。
 いいご老人を見ては、持って他山の石、とせんければならんと思い、そうでないご老人を見ては、人の振り見て我が振り直せ、とせんければならんと思いますな。

 閑話休題

 そうして中野ブロードウェイに向かう道すがら、乗車した電車の中、どうした按配か、心中でずっと、伊東四朗師と小松政夫師がさんざ流行らせたフレーズが繰り返し再生されて、いわゆるところの思い出し笑いをしそうになって大いに困った。ニン。どーかひとつ。ながーい目で。ダメなのねー ダメなのよー ニンドスハッカッカー マァ ヒヂリギホッキョッキョー。もーいや、もーいやこんな生活、お金返すからお家帰して。なんてな感じでずっとこんなフレーズの数々が心の中で渦を巻いていて、あー、つまりはそういうことだ、『マカロニほうれん荘』と同じく、僕を構成する要素のひとつだ、ということなんだろうと思った。ツン、ツクツクツクツン。わりーねわりーねわりーね・でーとりっひ。

 閑話休題

 ではそんなことでお後がよろしいようで。いまの子供たちも、終生捨てることがないものと出会えるといいね。

ありがとうございました。これからもよろしく。

 とりあえずこのWeb日記と云い張っていたブログは今日でおしまいにします。  閑話休題  昨年の五月、置かれた状況・環境に翻弄されてすっかり減退してしまった創作意欲に再び火をつけて、みやかけおを再起動するのを目的に、ブレインストーム的にブログを始めたのですが、あれから一年...